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猫と箱 ~カルトナージュとちいさな楽しみの日々~

catandbox.exblog.jp

図面を読めるようになった瞬間の話

箱作り製図で思い出しましたが、元々図面の書き方や読み方がわかりませんでした。
図面や編み図も、読み方分からないと謎ですよね。

図面の読み方を教えてもらったのは、一番最初に就職した会社で設計部に配属された時でした。
設計とは無縁な経歴だったため、もちろん図面はサッパリ見方がわかりません。(なんで配属されたのか謎)
正面図は分かるじゃないですか。例えば四角形の寸法があって、このサイズで作るんだな、っていうのは。
ところが正面・上面・側面とかの3面図になると、もう分からなくて混乱するんですよね。
今は3Dモデルで表示するソフトがあるから分かりやすいですが、当時はそういうのなかったので。

四角形の3面図=立方体くらいだとまだ何とかイメージできるんですが、
複雑な形状をそれぞれ、上から見たらこの形、横から見たらこの形ってのがどうにもこうにもイメージできない。
例えば配管とか、下図の3面図から黒い3D形状をイメージできるか、または現物から3面図が描けるか、ということです。

設計部員は図面だけ見て「で、配管径はどう変更する?」とか仕様決めしていくのですが、
私はこの図面が円筒状の分岐つき形状であることが分からない。
そのまま単なる丸と四角の平面にしか見えないから、
がんばって立体を想像しても、キャップのついた四角い瓶みたいなもの?がせいぜいで
側面から見て丸が下にある形っていうのが????となり、理解できない。
空間認識能力が低いのを自覚した瞬間である。
そういえば今も東西南北が分からないし、車庫入れが下手である。実は左と右も一瞬考えないとわからない。

そんな私が図面修正のアシスタントをするのだから、教育担当Oさんは気の毒だった。
自分の仕事を1.5倍くらいの速さで片付けて、根気よく説明してくれた。
理屈はわかるのだが、現場に出ない私は実物を見る機会がなく、
右側面と左側面で形が違ったりする図面だと、もうお手上げなのだった。

ある日、Oさんが私の修正図面を見て吹き出してこう言った。
「これは・・・なかなか斬新な配置設計だな」
そして驚くべきことになぜかOさんが謝ったのだった。
「根本的に教え方が悪かった。いきなり図面修正とかやらせて。あのね、円柱と円錐って形、分かるよね。」
「はい」
「底面図はどんな形?」
「どっちも丸」
「側面図は?」
「四角と・・・・さ、三角?」
「そう、正解。上面図はどんな形?」
「丸と・・・て、点?になるんでしょうか?」
「うん、そう。底面円の中に頂点の点がある。じゃあ、中が空洞の円柱を底面図か上面図に書くときは?」
「・・・二重丸でしょうか」
「そういうことです」
図面の読み方を初めて理解した瞬間である。
それはあたかもヘレン・ケラーが井戸水を片手に受け、片手にW-A-T-E-Rとサリヴァン先生に指文字を書かれ、
全てのものに名前があると理解した時のように、私の脳内にも稲妻が走ったのだった。

「Oさん!やっと分かりましたよ、Oさん!」
「これ、どこが斬新か分かる?」
「壁をつきやぶって、しかも直角に配管してるってことですね」
「そういうことです」

それから今日まで私の心の中で、Oさんはサリヴァン先生と呼ばれ続けている。
分かっている人に、自分がどこが分からないかを伝えることが大事ということも学ばせてもらった。
ありがとう、サリヴァン先生。

# by ogakyo | 2021-08-26 15:40 | fun to learning | Comments(0)

縦型カトラリーボックス リベンジ完結の巻

以前作った縦型カトラリーボックス、「取り出しにくい」フタだよな、
と思いつつ、9年も使っている。2012年6月作。(取り出しにくさにも慣れた、というもの)

改良してみるかなっと、改良バージョンの試作を1/2スケールで考えてみたのが2015年8月。

そして2021年ー、実寸スケール改良版リベンジが完結の時を迎えたー 
6年も経過してるの恐ろしすぎる
縦型カトラリーボックス リベンジ完結の巻_b0230152_14204015.jpg
まず作業開始が億劫だった理由2つ。

・図面起こしが面倒
・アクリル板カットが面倒

アクリルカッターで切るのですけど、
力み過ぎてカット線から逸れて可視部にキズつけてやり直すわ、
いやはや、ほんと久々すぎて失敗やり直し甚だしいことこの上なし。
引き出し前面用に4枚必要なうち、2枚やり直した。計6枚もカット。
1枚につき40回くらい切り込み線なぞって切る×4辺なので、手が疲れるし、切り屑大量収穫祭でした。

そして実寸ならではの反り。
本の重し置くことでいくぶんマシにした。たぶん紙の目間違えてカットしたから。
縦型カトラリーボックス リベンジ完結の巻_b0230152_14204003.png
今回最大のミスは、(ミスしないように作るんじゃなかったのか!)
外箱をだいぶ前にカットして組み立てており、
仕切り板を歪めて貼付けしていたことに尽きる。
仕切り板が歪んでいる、ということは、引出しの底面面積が台形になるわけで、
4つの引出し各々幅が違う、ということになった。
よって、前面パネルもサイズ調整のため、カットやり直すという苦行でしたわ。。。
期間空くと、勘は鈍るわ、忘れていること多いわ、
私には、やはり短期間で一気に勢いで作る方法が向いているのではないかと感じた次第。
やり直そうかな、と一瞬考えたが、素材不足で断念。

箱を作る作業でいちばん好きなのは、
やはり外装を設えるところなんじゃないかと思う。
今回は椅子の座面などに使用される
オフホワイト合皮×ティルダ布×モモナチュラルの把手。
長く在庫していたものをやっと使用できた。
縦型カトラリーボックス リベンジ完結の巻_b0230152_14204109.jpeg
美しい外装にするためには
美しい基礎、美しいパーツを美しく組み立てること。

「中身を取り出しやすくする」という点では満足だけれど、
事前によく考えていたらもっときれいに作れたな、と思うポイントがたくさんあった。
書き出してみたら12項目も!次回制作時の改善課題です。

最初から最後までミスなく完成する日を目指して
精進の日々は続くのであった。
縦型カトラリーボックス リベンジ完結の巻_b0230152_14204152.jpeg
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# by ogakyo | 2021-08-25 14:42 | handmade | Comments(0)

【catitems 007】下手な猫の絵を描いてみよう

猫の絵を描いてみようとして、上手に描けない。
かわいいねぇ、しっぽの先までかわいいねぇ、と毎日言っておきながら、
いざ絵にしてみようとすると、
あれ、猫の鼻と口ってどうなってるんだっけ・・・となる。
猫は瞳が印象に残るせいで、口元の記憶はおろそかに。
鼻からこう・・・ω みたいなヒゲのとこがあって、顎は小さくて
あくびをするとひし形になる口なんだから、閉じてる時どうなってるんだっけ・・・・
絵を描くには、観察とか写生の必要性をひしひしと感じる瞬間。
何も見ないでちゃんと描けるのは、もう暗記するくらい描いているからだと思う。

絵を上手に描きたい。
これなら私でもいけるんじゃないかと思って、
「ムッシュ・ロベールのどうぶつイラスト描き方帖」という本を買った。
まずはネコを描いてみよう。ね、これなら誰でも描けるんじゃないかと思うでしょ。
【catitems 007】下手な猫の絵を描いてみよう_b0230152_07420477.jpg
ところが描いてみると、なんか全然かわいくないのである。線が歪むってのもあるし、誰でも描けるさ、という雑さが出ている。
たぶん100回くらい描いたら手が覚えるのか。
【catitems 007】下手な猫の絵を描いてみよう_b0230152_07442993.jpg
本当はサビ猫を上手に描きたいのである。あのまだら模様を絵にすることの高難易度よ。
大人になってから色鉛筆を久々に使おうと引っ張り出したが、まずサビ猫の地の色であるやわらかいクリーム色がない。
仕方ないから近い色の黄色で塗って、顔面の印象的な黒いところを描く。
もう脳内イメージではダイナマイトキューティなサビ猫ができあがっているのだが、
手から出るのは、なんだこれ、なのである。
【catitems 007】下手な猫の絵を描いてみよう_b0230152_08032914.jpg
サビ猫模様が難しいのは明らかだが、プロはすごい。フェリシモ猫部のサビ猫タオル。
【catitems 007】下手な猫の絵を描いてみよう_b0230152_08161381.jpg
イラストに限らず大体、発信する時ってのは、
上手にできたから見てくれ、というレベルに達した時なので、
下手くそだから見てくれっての、あまり見かけない。
と思ってたら、ツイッターのタグで
#羽生結弦の写真撮るの下手くそすぎる選手権
とかあって、ピントがボケボケの羽生選手の写真を自慢するツイート大会になっていて、
こういうタグ活用でSNSが盛り上がる日本って特殊すぎる、みたいな
解説をどこかで読んだけれども、
子供の絵がこども時代にしか描けないように、
下手な絵は上手くなってからでは描けない。(超前向き)
上手い人がわざと崩して描いたとしても、どこか線に巧さは出てしまう。
下手を楽しむのも、楽しいよね。


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# by ogakyo | 2021-07-22 14:22 | cat items | Comments(0)

Illustratorで図面を描いてから作るシリーズ_縦型カトラリーボックスリベンジ0

ここ最近は仕事の案件でサイネージを制作したことから、
After Effectsでモーションデザイン作るのが面白いなと思って、
感動する映像の、どのあたりが感動を呼ぶのだろうか、とか考えたりして過ごしている。
エフェクトかけるの楽しいが、精密な人に言わせれば座標の動きだそうだ。これだから0と1の世界は。
感動する座標の動きは間なんじゃないかと思ったりしている。
デザインにおけるネガティブスペースは、モーションにおけるストップモーションか?



そして気づけば7月も半ばを過ぎ、今年の目標に掲げたカトラリーボックスリベンジにようやく着手のはこび。
カルトナージュ製図・型紙のつくりかた を書いた当時はDrawで製図していたが、
2年前に観念してadobe CCライセンスを購入し、Illustratorで図面を描いている。
Illustratorで図面を描いてから作るシリーズ_縦型カトラリーボックスリベンジ0_b0230152_15370537.jpg
デジタル・ハリウッドの通信講座受講生でライセンス購入すると、定価よりだいぶお得に購入できるうえ、
超絶にポイント押さえまくったよくわかる期間限定講座も視聴できるので、
スクールに通わず効率よく独学したい人にはうってつけだ。
これについては、お得情報満載のレビューを後日書こうと思っている。
次回ライセンス更新時にちゃんと画面キャプチャしておこう。

図面通りに切り出してみて、Backの5mm、上手に切り出せるようになったなぁ。と感慨深い。
下手の横好きで途切れながらも継続していると、力み過ぎてカット失敗していたのだと、
力の抜きどころが分かった気がする。
カッターに力を入れるのではなくて、しっかり歪まないよう押さえる手の方に重点を置くと良いね。
Illustratorで図面を描いてから作るシリーズ_縦型カトラリーボックスリベンジ0_b0230152_15431213.jpg
Illustratorで図面を描いてから作るシリーズ_縦型カトラリーボックスリベンジ0_b0230152_15435987.jpg
Illustratorで図面を描いてから作るシリーズ_縦型カトラリーボックスリベンジ0_b0230152_15443399.jpg
さて、完成までにどんなドラマがあることやら。

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# by ogakyo | 2021-07-18 17:40 | handmade | Comments(0)

【catitems 006】猫の似合う人

猫のいる風景が好きだ。
古本屋に猫がいたりするのも良い眺め。

NHKで「ネコメンタリー 猫も杓子も」という番組を見た。
作家と猫のくらしを映すドキュメンタリーで、見入ってしまった。

猫を飼っている作家は多いようだ。
室内で執筆作業する時間が長くて、常に構わなくても良い猫だから、相性が良いのかもしれない。

好きな作家が猫好きだと知ると、好感度が少し上乗せされるよね。
児童文学で有名なイギリスの作家、ロバート・ウエストール氏の「かかし」という小説を
中学生の時に読んで以来、ファンである。初めてファンレターを出した人でもある。
手紙を書いた時すでに、亡くなっておられたのだけど、
ファンレターありがとう。とても嬉しい、と事務局の方から返事をもらった。
いくつも賞を受賞している有名な方なので、今も関係者の方が遺稿など整理して、出版は継続されているようだ。
そして、もちろん猫がとても似合う人なのである。
【catitems 006】猫の似合う人_b0230152_20364081.jpg
晩年の理想としては、こういう感じになれるよう過ごしていこう。

おもしろい本があって、猫がそばにいたら、
それはとても幸せなことだな。


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# by ogakyo | 2021-06-22 14:22 | cat items | Comments(0)